誰にでもわかる科学記事を書くことの難しさ。

誰にでもわかる科学記事をかくというのは難しい。記事の対象となるヒトを固定(たとえば、薬学部の大学生、とか)できるなら、ある程度の専門用語を使うことによって、簡潔に文章をまとめることができる。簡潔な文章ほどわかりやすいというのは、至極当然の…

久しぶりの火遊び。

バーベキューを庭でしたのだが、その炭火がきれいだったので、久しぶりの火遊びをしてみた。といっても、ぽかぽかとした炭火の横で、ただぼーっとしているだけなのだが。炭火というのは、見ていて心が落ち着く。暗闇でゆらめくオレンジの炎と黒い炭、ときど…

ブログを2つ持ってみて

メモ書きとして始めたつもりのこのはてなダイアリーも、もう一ヶ月になる。途中、海外出張などもあったが、とりあえず継続することはできた。私は、もう一つブログをもっていて、そちらの方をメインで動かしている。メインブログの方は、もう5年くらい続けて…

風船飛ばしのガイドライン。

娘の幼稚園最後の運動会、開会式で風船飛ばし(バルーンリリース)が行われた。こういうイベントは、昔はよく行われていたが、最近はあまり見なくなった。私も相当久しぶりに見たような気がする。青空に飛び立っていく色とりどりの風船を見て、思わず何枚も…

ノーベル平和賞を決めた演説

オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した。未だ何の功績も挙げず、ただ核軍縮を宣言しただけで賞がもらえたようなものである。ニュースで引用されている、今年のプラハでの演説はyoutubeで見ることができる。核軍縮のくだりは、13分過ぎてからのところである…

ペーパーバックの読み方。

洋書のペーパーバックを読むのが日課になっている。今読んでいるのは、Tom Clancyの"THE CARDINAL OF THE KREMLIN"。ばりばりのスパイ小説である。Tom Clancyの小説は、日本語訳でも読んでいるが、この作品はなぜか読んでいない。だから初見であるが、登場人…

ノーベル生化学賞。

今年のノーベル化学賞は、「for studies of the structure and function of the ribosome」に対して与えられた。タンパク質合成に関わる細胞内器官「リボゾーム」の構造と機能解析、というのが受賞内容である。これは、高校の教科書で言えば、化学の教科書で…

プリンと比重と表面張力。

世の中で売っているプリンは、なぜカラメルが下なのか。素朴な疑問だが、これまで調べようとしたこともなかった。で、たまたま見かけたのがこんな記事。http://netallica.yahoo.co.jp/news/95552 ではなぜ、もともとカラメルを下にしているのか。重さの違い…

ジョンとリックの会話

科学的発見というのは、別々の研究室から同時に同じ雑誌に報告されることということが時々ある。私は、アカデミックの人間ではないので、その裏側にどのようなことが起こっているのかはわからない。ただ、こんな会話が行われているとしたら。。。引用元 www.…

ミニ提灯収集のすすめ。

テレビで、ヨーロッパのお土産を集める特集をやっていた。ヨーロッパの観光地では、観光地にちなんだマグネットが定番のお土産らしい。そういえば、先日のフランス出張でも、観光地のお土産屋で何種類かマグネットを見かけた。日本の観光地では、まだそれほ…

頭って、薬でよくなるの?

海外の学生に、「頭がよくなる薬」というのが流行しているそうだ。「スマートドラッグ」や「ヌートロピクス(Nootropics)」などと呼ばれており、代表的なものとしてピラセタムという物質がよく服用されているようだ。このピラセタムは、厳しい規制がかけられ…

オバマ大統領のプレゼンはかっこいい。

オバマ大統領のプレゼンはかっこいい。オリンピック招致演説を少し聞いたのだが、中身はたいしたことないのに、凄く心に残る話し方をする。原稿は、もちろんスピーチライターが頭をひねってかいたのだろうが、その話し方が中身をより大きく膨らませ、聞く側…

味の素の医薬事業が名称変更

味の素は医薬事業をもっていて、アミノ酸の技術を生かした輸液製剤や、代謝性疾患の治療薬を製造販売している。この医薬事業を再編し、「味の素製薬」という名前の新会社を設立するとのこと。 味の素 は30日15時、医薬事業の組織再編を発表し、12月に設立す…

抗インフルエンザ薬「ペラミビル」承認申請へ。

日本発の抗インフルエンザ薬、ペラミビルの承認申請が11月に行われることになった。日本発、といってもオリジンはアメリカのバイオクリスト社ではあるが、臨床開発を担当した塩野義製薬は、日本での来年秋の発売を目指す。ペラミジルの詳しい話は、以下のリ…

アンジオテンシンII受容体拮抗薬の首位攻防。

現在の高血圧治療薬の主流であるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、何種類もの薬剤が激しい競争をしている。ここまで日本国内では、武田薬品のブロプレスが君臨してきたが、時代は変化しつつあるようだ。 ノバルティスファーマのARBディオバン(コディ…

洋書の教科書のすすめ

大学では有機化学と生化学で、洋書の教科書を使っていた。もちろん、学校が推薦していたのは日本語のものだったが、薄くて要点しか書いていないものだったので物足りない。有名な海外の教科書は、分厚くて手厚い解説がつけられているが、翻訳された物はいか…

ブログのネタを探すとき

ブログに書くネタを探すときは、ネットから得られる情報を参考にすることが多い。日頃みているニュースサイトやプレスリリースの場合は、その真偽についてはある程度の信頼をおいている。しかし、場合によっては、裏をとるための他の資料(論文や専門書)な…

弘法じゃないけど筆を選ぶ。

MacBookのスペースキーが壊れたので日本語の入力が出来ない。壊れたのは、スペースキーを金具に止める1mmくらいのプラスチックの爪。これがないと、キートップがしっかり固定できずふらふらになる。スペースキーを押せないことはないのだが、ものすごくスト…

教科書に分からないと書いてあること

薬に関係したホームページを開いていると、薬学生からの「この薬の作用メカニズムが分からない」という質問をよく見かける。で、「教科書によく分かっていないと書いてある」という言葉が、必ず後ろについてくる。薬の中には、「詳しい作用メカニズムがわか…

「神がかり」という言葉

フランス出張からかえってきた。主張先は、東部の古都、ストラスブール。国際学会への出席が目的である。仕事がオフの時間は、ストラスブールの街をいろいろと歩き回った。もちろん観光は出張目的ではないが、いろいろと見聞を広めるのは、会社人としてより…

一週間留守にします。

海外出張のため一週間留守にします。20日に帰国予定です。

ワクチンを受けられる場所

日本では、新型インフルエンザワクチンは指定された医療機関で投与される予定である。また、学校での集団接種についても考慮されている。限りあるワクチンを効率的に投与するためには、綿密な計画が必要だ。一方、アメリカではワクチン供給量に余裕があるた…

宇宙でネズミの手術をした医者。

スペースシャトルに搭乗して、ラットの手術をした研究者の報告。Aviat Space Environ Med. 2005 Jun;76(6):589-93.行なった手術は、開頭術、足の切開、開胸術、椎弓切除、腹壁切開という、基本的なもの。全身麻酔、傷の縫合、血液動態や体液の管理(多分点滴…

大地震がいつ来てもおかしくない

阪神大震災発生時、生放送していた番組の動画。 大阪からの放送(朝日放送スタジオ)だと思われるので、 このときの地震の震度は6程度と思われる。 この時、私は京都で震度5を体験したが、 揺れの間何も出来なかったのを覚えている。アナウンサーは、きち…

最高の技術をもつだけは、何も始まらない。

関西が誇る職人の街、東大阪の話題をテレビでやっていた。人間業とは思えない技術を持つ職人たちが活躍する。 しかし、そんな職人でさえも、 一人一人では、できることに限度がある。職人たちが、ひとつの目標に向かってまとまることで、 一人の職人の技を遥…

チューペットを救う方法

夏の日のなつかしの氷菓子「チューペット」。残念ながら、製造中止が決まってしまった。製品製造中にカビの混入が発見され、回収騒ぎがあったのがこの春。改善方法を検討したところ、製造工場の中の半分の機械を改修しないと、根本的な解決ができないことが…

指摘・批判をうけるのはありがたく、うれしい。

ブログをやっていると、不十分なまま世の中に文章を公開してしまうことがある。用いる用語の定義づけをきちんとしなかったり、事実確認が足りなかったり、論理の飛躍があったり。。。そして、そういうときの文章に限って、ホットエントリーに入ったりしてし…

禁煙補助薬での副作用に注意喚起。

内服可能な禁煙補助薬「チャンピックス」(ファイザー:主成分バレニクリン)に対して、添付文書に「警告欄」が設けられ、副作用に対する注意喚起がなされることになった。日経メディカルオンラインから 今回の改訂では、添付文書に警告欄を新設して「抑うつ…

ピアノは打楽器である。

娘のピアノを買いに行ったときに店員さんから聞いた言葉。ピアノはピアノ線を使って音を出すので弦楽器のようなイメージがあるが、実はハンマーが弦を叩いて音を出す原理なので、ピアノは打楽器と言った方が正しい。ハンマーの模型を見ながら受けた説明は、…

タンパク質を経口投与で送り込む方法

タンパク質というのは、基本的に口から飲んでも直接体内へは吸収されない。基本的に、タンパク質は、消化管の中のタンパク質分解酵素によってアミノ酸に分解されてしまうためだ。ということは、タンパク質分解酵素で分解されないタンパク質は、口から飲んで…