数学の問題を解くということ

今年はたくさん数学の問題(とはいっても中学レベルなのだけれど)を解いた。高校入試の問題集を、家に帰ってからの気分転換で何冊かこなした。面白い問題は、息子にも解かせてみようかと思っている。

一方、私の仕事である創薬は、解決策がない(ごくわずかのヒントはある)問題を、泥臭いやり方で一つ一つこなしていくという性格が強い。そして、自分が導き出した解答が真の正解かどうかはわからない。

わかるのは、自分の解答から得られた結果が、考えられる結果の中で最低限の条件を満たしたか、最善と思われる結果と比べてどれだけのものであったかということだけだ。これが、いわゆる数学の問題(答が設定されていて、解答の論理だけを考える)ものとの一番大きな違いである。

家で数学の問題にハマってしまうのは、「論理を筋道だてて調べれば答が確定する」という体験を頭が求めているからではないか、というような気がする。仕事の世界では得られることがない理想的な世界。

もちろん、このような体験は単なる現実逃避にすぎないので、趣味の範囲で程々にするのがいいとは思う。

今年は、方程式と整数の問題を重点的にやったので、来年は初等幾何をやろうかと思う。日頃の生物・化学・英語漬けの頭を別世界で解きほぐす癖をつけておきたい。