ミニ提灯収集のすすめ。

テレビで、ヨーロッパのお土産を集める特集をやっていた。ヨーロッパの観光地では、観光地にちなんだマグネットが定番のお土産らしい。そういえば、先日のフランス出張でも、観光地のお土産屋で何種類かマグネットを見かけた。日本の観光地では、まだそれほどメジャーではないが、それでも最近はよく見かけるような気がする。

どのマグネットも、観光地の特徴をうまくとらえた絵柄が魅力的。フランス土産に買っておけばよかった、と今になって思う。キーホルダーは色々と買ったのだが。

お土産といえば、私は日本の観光地の土産の定番(だった)「ミニ提灯」を集めている。収集歴は10年を超えたくらい。コレクションを、ホームページで一部公開していたりする。

ちなみに、ミニ提灯には大きさによって大きく2種類に分かれている。私が集めているのは、おもに手のひらにのるくらいの大きさのものだ。交通安全のお守りとして作られたのが最初らしく、車のフロントガラスやバックミラーにつけるための吸盤がくっついている。

一方、居酒屋の長押なんかに飾られているタイプの提灯も、気に入ったときには購入している。これは、折りたためるので収納はとても簡単なのだが、値段が高いので(700-800円)、なかなか手が出ない。

これらのミニ提灯の歴史は相当古く、おそらく私の親の世代で集めていた人もいるのではないかと思われる。しかし、21世紀になり、世代が変わったせいか、これらのミニ提灯を見かけることはすくなくなった。現在は、お土産の定番は、ご当地キティまりもっこりなどのキャラクターものに移りつつあるようだ。

ミニ提灯には、その観光地のエッセンスがこめられている。小さい表現空間に、コンパクトに観光地の風景や、その土地にちなんだ俳句や民謡の歌詞などが書かれたりしている。デザイナーによって、同じ観光地でも表現の仕方にも違いがあり、見ていても集めていても飽きることはない。

大企業によるプロモーションの元に作られたお土産というのは、なぜか人情というものを感じない。一方、ミニ提灯を買うときには、お店のおばちゃんの情を感じることが多い。

全国のお土産屋さんを巡っていると「最近は、めっきり入荷しなくなった」という寂しい話を聞くこともあれば、「ちょっと汚れてるから、50円でいいよ」なんてうれしい体験をすることもある。そんなお土産屋さんでは、昔ながらのなんともいえない雰囲気と、古き良き日本を観光している感じを味わえる。

というわけで、ぜひミニ提灯を集めてみることをお勧めする。見つけるのは難しいかもしれないが、探し出したときの喜びや人情に接したときの喜びは、観光地の絶景を見るのと同じくらい大きいはずだ。