プリンと比重と表面張力。

世の中で売っているプリンは、なぜカラメルが下なのか。素朴な疑問だが、これまで調べようとしたこともなかった。で、たまたま見かけたのがこんな記事。

http://netallica.yahoo.co.jp/news/95552

ではなぜ、もともとカラメルを下にしているのか。重さの違いだったりする? 森永乳業に聞いた。

「プリンの製法を人に話すとき、少しびっくりされるのが、充填順序が『プリン→カラメル』だということです」(広報IR部・越さん)

なんと容器に入れる際、プリンを先に入れ、その後に上からカラメルを入れるのだという。なぜ?
「カラメルを先に充填すると、その後に充填するプリンによって、カラメルとプリン部分が混じってしまいます。カラメルが後であれば、カラメルとプリンは、比重に差があり、カラメルは沈みます」

つまり、プリンの大海の中を突き抜けて、カラメルがぐいぐい深みに向かって進んでいくということ? マーブルプリンみたいになっちゃいそうだけど……
「表面張力の差により、境界面も綺麗に分離するんですよ。当社の場合、液状のプリン液を充填した後、直後にカラメルを充填しています。カラメルの充填は細めのノズルからある程度の速度で充填される為、プリン部分を一気につきぬけ、底面で広がります。速度が早すぎたり、カラメルの粘度がなさすぎたりすると、底面で広がるだけでなく、プリン部分に巻き上がったり、プリン部分を巻き込んだりします。結構微妙なバランスで成立っているんですよ」

まさに逆転の発想。予想もつかない展開だった。確かに、プリンは液体を冷やして固めて作るもの。液体の状態では、重いものは下に沈む、自然の法則をうまく利用した製法なのだ。


「当然のことなのだが、言われないと気がつかない」ということは多いものだ。