研究者は、ぜひブログを書いてみるといい。


メインブログを始めて(FC2の前のブログ人の時代も含めると)もう5年。いろいろと試行錯誤しながらやってきて、読者さんもたくさん増えてきた。Twitterでも読者さんからのフォローを見かけるようになり、ブログの広がりをいろんな形で感じている。


メインブログ:薬作り職人のブログ


研究者は、ぜひブログを書いてみるといい。自分の仕事の紹介でも、実験の記録でもよい。普通の人がのぞいたことがない研究の世界を紹介する、というのは、ブログの目的としては最適なものである。


ただ、気をつけるのは門外漢の人に分かるよう工夫をすること。門外漢の人は、学会の聴衆とは違う。面白くない、わからないと、さっさと逃げてしまう。自分ひとりのつぶやきでよい、と言う考えももちろんある。が、ブログから返ってくる反応は良いものも悪いものも、とても刺激的でクセになる。おすすめだ。


世の中では、科学技術の現場については、ほとんど知られていない。知られていないと言うのは、無関心のもとでもあり、無関心はいらぬ警戒の元でもある。しかし、一度その中身を知ると、さらなる興味を示す人は結構多い。興味が警戒を解き、興味が愛着に変わると、科学技術に対する世の中の見方は大きく変わるかもしれない。


参考までに、私のブログ遍歴のあらましを書いてみる。


ブログを始めるときに読んだ入門書には、「自分だけが知ってることをまず書いてみよう」とあった。


世の中、薬について知ってる人は結構少ない。創薬の研究現場などというものは、おそらく想像もつかないだろう、だから、薬について書くことにした。


ブログの内容は雑多なものだ。実験器具の紹介とか、ネズミとの戯れとか、実験進める上での悩みとか。そんなエピソードの中に、創薬過程の紹介を絡めて行く。薬の名前の由来を枕に薬の作用メカニズムを出来るだけ易しく書いてみたり、薬の作用メカニズムを擬人化してみたり、いろいろ遊んでみたりもする。


「ブログの読者さんを増やすには、いろんなブログでコメントを残してみよう」ということで、いろんなブログを訪問した。業界の人が見当たらなかったので、gooの新着ブログでいろんなところに飛び込んだ。大阪のおばちゃん、海外のおばちゃん、関東のおじいちゃん、、とにかくいろんな人と知り合った。


で、この人たちに分かるように、ブログの内容をどんどんチューンナップして行った。薬のことを伝えると言う目標は変えずに。いろいろ「わからない」というコメントももらったが、それが励みになり今までやって来れた。


今では、薬学関係の学生さんや製薬系、医療関係者などの専門の方も読者として参加してくれるようになった。非常にうれしいことだ。


ちょっと専門に寄りたい気にもなった。しかし、やはり私の目線はおばちゃん、おじちゃんにある。ブログの目的は、薬を知らない人に、薬に親しみ、興味を持ってもらうことに変わりない。最近、専門にも寄りたい気持ちがたまらなく大きくなったので、このサブブログを立ち上げることで気分を解消し、現在に至っている。


現在でも、すでにたくさんの研究者ブログがあり、それぞれ個性的な意見を述べている。ただ、一般向けのアピールと言う点では、まだまだ「堅い」ものが多いような気がするこれから参入するヒトたちには、。ぜひ「柔らかなブログ」作りを選択肢に入れてもらいたい。