リレンザの実物を見て思ったこと。

リレンザの実物を初めて見た。息子がインフルエンザと診断され、10代ということでタミフルの処方がされず、リレンザを処方されたのだ。

リレンザは吸入薬であり、特別な吸入器をつかって口から気管に薬を吸い込む。この吸入器の構造は結構複雑でメカニカルだ。

インフルエンザの蔓延にそなえ、タミフルリレンザの大量備蓄や迅速供給が叫ばれている。

リレンザの実物を見て思ったのは、「リレンザの大量供給は難しいな」ということだった。リレンザの原薬自体の大量合成は何とかなるだろうが、「吸入器を数千万人分作れ」というニーズに答えるのは、ものすごく難しいと思う。

タミフルは、錠剤もしくはドライシロップである。タミフルの原薬合成は難しいとされているが、それにしてもリレンザとは比べ物にならない規模での供給は十分可能だろう。余計なデバイスがいらない経口剤だからこその強みだ。

現在、私が知る抗インフルエンザ薬で開発中の新薬のうち、経口剤は「T-705」だけである。T-705も、いよいよPhaseIIIという臨床試験の最終コーナーにさしかかった。新規メカニズムというだけでなく、使いやすい経口剤という意味からも、「T-705」には期待したい。


T-705、新型インフルエンザに有効
http://kentapb.blog27.fc2.com/blog-entry-1740.html

インフルエンザ治療薬「T-705」臨床第?相試験開始のお知らせ
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/091029.html