不気味な液体。

フランスでの国際学会の懇親会。

いろんなオードブルに混じって出されていたのは、不気味な液体。入っていた入れ物は、なんと試験管。赤色と黄色と2種類あって、試験管立てに何十本もずらりと並んでいた。

例えは悪いが、「血液」と「尿」。みんな、何か尻込みしていて、なかなか手を伸ばす研究者がいない。

一緒に話していた同業者の研究者が「行ってみますか?」というので、思い切って手に取って飲んでみた。

おいしい。ものすごくおいしい冷製スープだった。赤と黄は、どうやら野菜から取ったスープの色らしい。見た目と味のギャップがすごくて、思わずうなってしまった。

カウンターにいたフランス人の給仕の、にこっと笑う顔が見えたような気がした。さすがフランス。