公平にするのは難しい

学校の数学の授業で、確率のことを習ったときは、サイコロの各目が出る確率は1/6と習った。しかし、これは厳密にいうと正確ではない場合がある、らしい。

世の中に出回っているサイコロの中には、数字をあらわす目をくぼみで表している物がある。このくぼみのせいで、サイコロの立方体の角面のバランスがとれていない、というのだ。確かに、1の目と6の目では、くぼみが5個分、重さ?がちがうし、くぼみの場所も違っているのでバランスをくるわせる原因になる。これが、確率の不均一の原因になるというのだ。

もちろん、多数回サイコロ振りを繰り返して行けば、各目が出る割合は1/6に限りなく近くなる。しかし、確率を決めるときの重要な前提である「同様に確からしい」と言う条件は、満たしていない。その点で、教科書での理想と現実の解離は(誇張が入っているが)確かに存在する。

公平さを期すために一般に良く使われている「コンピュータで生成される乱数列」も、厳密には「でたらめ」な乱数ではない。これらの乱数は、計算式から得られた物であり、広い意味で予測可能であるからだ。

「でたらめ」を基準にした公平さは、簡単そうに見えて意外と難しいものだ。かといって、でたらめ以外の基準を決めて公平さを決めるのが遥かに難しいのも、また事実である。

公平にするのは難しい、ものだと思う。