論文のゴーストライターは是か非か。

学術論文では、実質的に何の貢献もしていないのに著者として名前を載せている「ギフトオーサー(gift author)」が存在する。ギフトオーサーについては、研究者の業績評価につながることから、その是非について多くの議論がなされている。

いっぽう、今日初めて知ったのだが、学術論文の世界にもゴーストライターならぬ「ゴーストオーサー(ghost author)」が存在するそうだ。

企業が実験を行ない、その結果を効果的に発表するために専門の業者(メディカルライティング会社など)に執筆を依頼する。当然、業者の名前は論文には載らず、実験を行なったヒトの名前が著者欄を飾る。

はたして、ゴーストオーサーは是なのか非なのか。

一般的なゴーストオーサーがどの程度論文作成に関与しているのか、私は知らない。もし、研究者が結果と考察の大体の下書きをし、それをリライトして分かりやすくするというレベルであれば、是なのかもしれない。自分が書いた論文を英文校閲にかけて、全く違った文章(笑)になるような感じ。あまり気持ちのよいことではないが。

しかし、自社に都合のいい内容を書いてくれ、とデータごと丸投げしてしまうのであれば、それは研究者としての義務も一緒に投げ捨ててしまっていることであり、明らかに非である。

論文を書くという作業は、基本的には楽しい作業である。研究者個人としては、書きたくてたまらないというのが自然で、他人に丸投げするという姿勢自体が理解できないのではないかと思う。

おそらく、ゴーストオーサーというのは企業の上層部が決めた方針なのだろうが、研究者自身は果たしてどう思っているのだろう。