ノバルティスの新型インフルエンザワクチンの臨床試験結果。

日経メディカルオンラインから。

治験は、18歳から50歳の健常人100人を対象にし、英国Leicester大学とLeicester大学病院で実施された。いくつかの接種回数や接種時期が試みられた結果、ワクチンを2回接種した被験者で血清抗体反応がもっとも高かった。ただし、1回接種した被験者でも、同様の反応が誘導された。

 インフルエンザウイルスは赤血球凝集能を持っているが、血清中の抗体によって赤血球凝集能が抑制される。一般的に、赤血球凝集抑制抗体価が40倍を超えていると感染防御が期待できるとされており、治験では被験者の血清中の抗体価を調べた。

その結果、ワクチンを1回接種した被験者の80%、2回接種した被験者の90%以上で、40倍以上の赤血球凝集抑制抗体価が認められた。治験の結果は、1 回の接種後2週間以内に、感染防御抗体が誘導できることを示しているという。同社はさらに、このワクチンについて、世界中で6000人以上の成人や小児を対象とした治験を実施中だ。


日本国内で、感染確率が最も高いと考えられる10代のデータがないのが気になる。年代によって、抗体産生能が異なる可能性もある。

また、国内企業で作成中のインフルエンザワクチンとは製法が異なるので、効果自体に差が見られる可能性も。製法の違い;日本は有精卵由来、ノバルティスは細胞由来、ワクチンへの添加物(アジュバント:免疫能を更新させるための隠し味?みたいなもの)の有無:日本はなし、ノバルティスはあり。


ちなみに国内製の新型インフルエンザワクチンについては、臨床試験は行なわず一発勝負。実は、毎年作られる季節性インフルエンザワクチンについても、臨床試験は行なわれていない。知らなかった。。

訂正:国産ワクチンの治験が行なわれることになったようです。