誰にでもわかる科学記事を書くことの難しさ。

誰にでもわかる科学記事をかくというのは難しい。

記事の対象となるヒトを固定(たとえば、薬学部の大学生、とか)できるなら、ある程度の専門用語を使うことによって、簡潔に文章をまとめることができる。簡潔な文章ほどわかりやすいというのは、至極当然のことである。だから、書いている自分としても文章の推敲などは非常に楽である。

一方、対象を固定しない場合(つまり素人さん向け。私のメインブログを指す)は、専門用語の使用に縛りがかかるのでややこしい。専門用語をみるだけでアレルギーを起こし、それ以上読んでもらえないなんてことはざらにある。かといって、専門用語の説明を始めると、説明のための説明、その説明、などという多重構造ができてしまう。すると、文章は複雑怪奇、迷宮のようになってしまい、自分の文章なのに推敲するのがつらくなる。

誰にでもわかる科学記事というのは、実は世の中それほど多くない。人気があるWebサイトなどを見ても、ある一定の水準以上の知識があるヒトにとって人気がある、というのが実情に近いような気がする。

書くのが非常に難しいからなのか、書こうとするヒトがいないからなのか。それは、わからない。ただ、書こうとするヒトがいない、という状況は、私のような素人に毛が生えたような研究者でも変えることができるような気がする。だからこそ、頭をひねって色々記事をかいているのだ、と思う。